2017年8月3日木曜日

「より良い選択」までの流れ

あなたはこのカウンセリングを通して、より良い選択に役立つ気付きを得るでしょう。

■事前にメールでお話されたい内容の趣旨を受け付けています。
お話する時間を有効に使いたい、込み入った話の趣旨を把握しておいてほしい、
というお客様のお声から始めました。ご希望があれば送付ください。

■当日は、LINEでお話しください。最初に、現状とありたい姿を確認します
「本当はこうありたいのに、現状はこうだ」「この時間に期待することはこれだ」
まずは、現状とありたい姿を確認します。

■お話ください。問いかけます。
あなたのお話を伺います。わたしは評価したり、判断したりはしません。
あなたの話す言葉、内容、話す時の表情、声色や呼吸、体の動きや強張りなど、あなたそのものに耳を傾けます。
その過程で、わたし自身が感じ取った違和感や疑問を、問いかけます。
「その行動はしたくてしてますか?」「その優先順位は今のあなたの幸せと一致していますか?」「今の言葉と表情は一致しているようには見えませんでした。そう言われて何か思うことはありますか?」「欠点?それは見方によってはこんな強みに見えますが?」
「こうなければならない!とおっしゃいましたが、それはあなたのハッピーにつながるあなたの考えですか?それとも他の誰かがあなたに望んでることですか?」

■問いかけに答えることで、自分自身で気付きを得るでしょう
問いかけを受けて、あなたは自分自身に問いかける時間を持ちます。あなた自身の気持ち、言葉、行動、思考、現状を改めて見つめ直す機会となります。
気持ちと一致していない行動を無意識で選択していたことに気付く、自分の癖やパターンに気付く、一般的な幸せと自分の幸せが違っていたことに気付く、自分の幸せには必要なかった価値観を握りしめていたことに気付くなど、自分に関する気付きを得ることでしょう。 

■あなたのより良い選択を見守ります
自分に気付いた状態のあなたが、改めて自分を取り巻く現状を見直してみると、活用できる資源がたくさんあることに気付くでしょう。そう、選択肢は思っていたよりもずっと多いのです。
さあ、あなた自身が気付いた本音や本心を大切にして、新たな優先順位を描き直しましょう。
広がった選択肢の中から、あなたの意思で、今のあなたにより良い選択をしましょう。

■日常生活の中で自分の成長を感じ、自信を持ち始めるでしょう
日常生活はカウンセリングの時間の延長に存在しています。新しく選択した優先順位・価値観は日常生活でこそ実践してこそ、あなたの一部になっていきます。時に宿題のように新しいノートを用意し、あなたが育てていきたい新しい価値観を日常生活の瞬間の中に実践し、それを再びカウンセリングの中で振り返り、見直していきます。その積み重ね、歩みはあなたを成長させ、自分に自信を感じ始めるでしょう。その頃には、あなたは自分と周りを肯定的な視点で見る力を有しており、困難に直面しても状況を把握し、判断して、必要な資源を選び取り、必要な支援を求めながら、困難を越えていける力を身に着けているでしょう。

あなたの最初の選択は、次の選択へと続くでしょう。人生は選択の連続。
あなたとゆるやかにつながりながら、あなたの選択を見守ります。今日は選択日和!

海外生活に関するテーマ

・ 海外転居に伴う環境や価値観の変化にストレスや不安を感じている
・慣れ親しんだ人間関係、社会的立場の喪失といった、喪失体験に苦しんでいる 等

海外で生活しているあなたはどのような経緯で、日本を離れて異文化に身を置いているのでしょうか。自分の意志で来た方、意志ではないが自分の都合(会社の異動等)で来た方、
家族の都合に伴って来た方、など、いろいろな理由や背景があると思います。

■海外で暮らすということは、その文化が有する意味づけ、解釈に身を置くこと
・海外での生活環境は、日本で慣れ親しんだやり方が通じないことも多いでしょう。価値観・コミュニケーションパターンといった文化的背景の差異、肌の色・顔の形・髪の色等の人種的差異、言語・国籍といった民族的差異*1、海外での生活は 人間の多様性に触れる機会に満ちています。
 一方、日本はハイコンテクスト文化と分類されるように*2 、文化内で共通の認識が多く、暗黙の了解で察しあう文化、言葉を介さずとも、ある程度通じ合う傾向が強い文化圏にあります。日本での暮らしを基準にすると、海外で体験するものとの差異はことさら大きく感じられます。
・また、他国に住むということは、その異文化が有している価値観、習慣、制度、その国と日本の間に横たわる歴史的文脈に身を置くことであり、あなたの社会的な立場に付される意味合いが変わります。それはどの国のどのエリアで暮らすのかによって、大きく異なります。
 例えば、男性/女性に関する捉え方、アジア人に関する捉え方、日本人に対する捉え方、そしてあなた個人が有している諸条件に対する捉え方(年齢・独身かき既婚か・職種等)。暮らす場所によって、違った解釈が付されるでしょう。それらは多かれ少なかれ、そこで暮らすあなたに影響を与え、暮らしやすさにつながる場合もあれば、暮らしづらさにつながる場合もあるでしょう。
■なんらかの喪失を体験している
・海外転居に伴って、多かれ少なかれ、手放したものがあるのではないでしょうか。慣れ親しんだ人間関係、住み慣れた町、力が発揮できる仕事、社会的立場、期待されていた役割、日本では有効だった自分の強み、などなど。それらを手放すことは、一種の喪失体験です。喪失を受容するには、いくつかの段階があり、ある程度の時間が必要だといわれています*3。その過程で、不安感、喪失感、孤独感、無力感、抑うつ、怒り、葛藤、等、多様な感情、症状を伴う場合もあります。
 しかし、不安と期待が入り交じる中、新生活が始まり、最初は観光気分で日々新鮮な気持ちでせわしなく日々は過ぎ、ひと落着きした後、日常生活としてそこでの生活を捉え始めた頃に、生きづらさや不満、ストレスが多様な形で表出することがあります。原因に気付くのは難しい程度に時が経っている場合も少なくありません。
■海外で暮らすことは、それだけで十分にチャレンジングなこと
自分の元来の強みが強みとして活かせない場所、今までの価値観が通じない世界で生きることは、とてもストレスフルなことです。そう、今、みなさんはとてもチャレンジングな環境に身を置いてらっしゃるのです。そんな中で大切なことは、今の自分がものすごく頑張っていることにしっかりと気づくこと、負荷がかかりすぎている部分があること、しっかりご自身を労うことが必要なこと。これらに、ちゃんとご自身で気付いていることがとても大切です。
■海外の生活に自分自身をどう適応させていますか?
・環境が変わっても、人は様々な方法を用いて、新しい環境をサバイブしていきます。新たな環境で生きていくために、慣れ親しんだ価値観を維持しながら、一旦横に置き、新たなの価値観を受け入れていくプロセスを経て、新旧の価値観を共に大事にしながら、自分に心地いいバランスを見つけ出せる、そんな順調な方ばかりではありません。
 新たな場所でのやり方を一切排して、世界を閉ざすことでご自身を守る選択をされる方もいるでしょう。または、以前の価値観の一切を排して、新しい価値観の世界へ完全に入り込むことで新しい自身のバランスを取り直す方もいるでしょう
*4。人は、さまざまな方法を意識的、無意識的に選択して、自分なりのバランスを取り、サバイブしていきます。しかし、無理があることに気付かずにいると、さまざまな形で葛藤が表出してきます。
■自分の状態に気付いていること、意識的に選択していくことの大切さ
​・元来のあなたが有している強み・レジリエンスが新しい土地で弱ってしまったことで、他の対処スキルも引きずられるように相対的に効果的に機能しなくなることがあります。*5
あなたは少し弱ってしまった元来の自分自身の強みに再び息を吹き入れるように、ゆっくりと自分のやり方、自分のペースを取り戻していくプロセスを歩み始めるでしょう。これを機に自身がどういった強みを用いて生きてきたのかを知る機会にもなるでしょう。
・新しい居場所で自分なりの心地よさ、安心感を得るべく変化していくプロセスにおいて必要なことは「自分の今の状態に気付いていること、意識的に選択をしていくこと」であると考えます。
 生きづらさを抱えてらっしゃる方、ご自身のバランスが崩れているのを感じ、見直したいと感じてらっしゃる方、一度、ご自分のために、時間を取ってみませんか?
参考著書:
*1:Berry(1994)
*2:E.T.Hall(1976)
*3:Kübler-Ross(1969)
*4:Betancourt and Lopez(1993)
*5:Lahad(2013)